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2011年12月

半年は長かったのか短かったのか

 ご無沙汰してます! 毎日、寒いですね。自転車で通勤していると、耳と頭と指が痛くなって困ります。全身が冷たい風にさらされて、ずきずきする。走っている間はあまり気にならないのに、会社に着いて暖房の効いたフロアに入ったとたん、思い出したように痛み出す体。あれはなんでなんでしょ。

 さて、近況などをぽつぽつと。


 先日、夫がクリスマスツリーを買ってきた。私の身長の半分ほどの、小さなツリー。家から自転車で15分ほど走った先にあるホームセンターで、ただでさえ安価なのに、さらに割引されて売られていたらしい。まだクリスマスまでは一週間以上あるのに。
 夕食を食べ終えて、ふたりでいそいそと飾り付けをした。サイズが小さいから、作業はほんの数分で終わった。出来上がったツリーを眺めて、夫と顔を見合わせた。付属の装飾品はいかにも安っぽく、てっぺんに星を飾ると、ほんの少しだが右に傾いて見える。
「なんか、しょぼくない?」
「確かに」
「でも、そのしょぼさが、なんか可愛い!」
「確かに!」
 値段相応のしょぼくれたツリーは、それでもリビングの一角をほんのり明るくした。それから毎日、視界に入るたび、夫とふたりで可愛いねと言い合っている。


 数日前、家に友人たちを呼んで、少しはやめのクリスマスパーティーをした。まあ、クリスマスを口実にした、ただ呑んだくれる会である。とはいうものの、件のツリーも客間に移動させ、いつもより手をかけて鶏を煮込んだりして迎えた。
 客人は、以前通っていた小説教室で出会った夫婦共通の友人である。カップル1組と独身男子1人。独身男子はいつも値の張る焼酎を手土産にかついで来てくれる。今回は甕雫。芋の割りにするすると呑みやすい危険なお酒。カップルは、スーパーでサーモンのたたきを仕入れてきてくれた。でかでかと半額シールが貼られているのを見て、思わず頬が緩む。若い彼らはまだ半分大学に足をつっこんでいて、派遣のバイトで食いつないでいるのだ。彼女の方が、「今日はユザワヤで6時間チェーンの長さを計ってきました」と笑う。前呑んだときは、朝から晩まで謎の肉を切る仕事をしたと言っていた。
 彼らと呑むのは、とても楽しい。よく食べるし、よく呑む。ビール6缶、ワイン1本、甕雫があっという間に空になる。酒を傾けながら、とめどなくしゃべって笑い転げる。大部分はどうでもよいこと。ちょこっとだけ小説の話も。
 独身男子が、来年の初夏に本を出版することになったそうだ。かねてから書いていた歴史小説が認められたのだ。初め新人賞に出して落選したのだが、どうしてもあきらめきれず、手直しして著作権エージェントに持込をしたとのこと。いまは編集氏から課された書き直しに四苦八苦しているそう。
 友人が小説家としてデビューするのは素直に嬉しい。彼の情熱と、それを形にするための緻密かつ粘り強い努力には、本当に頭が下がる。
 でも、なんとなく心がもやもやするのも事実。悔しい、とか、羨ましい、だったらまだいいのだ。でも、違う。悔しいとあんまり感じない自分に、なんだかなあと思うわけだ。6月以来、ほとんど小説らしきものを書いていない。書こうと思って、仕事の休み時間などにワードを立ち上げてみたりするけど、1枚分くらい書いては消し、書いては消しを繰り返してぜんぜん進まない。指が重くて、思考がいろんなものに邪魔されて、結局白紙のままワードを閉じる。誰か見えない人が、見えない糸で私の指を引っ張っているのか。耳元でいらぬことを囁いているのか。
 まあ、“見えない誰か”は、怠惰で言い訳がましい自分自身だとはわかっているのだけど。
 とりあえず「こんちくしょう、すぐに追い抜いてやるわ」と思えるまでは、じっとしていよう。その間に、いろいろな出来事を咀嚼して、消化して、蓄えて、心に分厚い膜を作らなくっちゃ。自分の感情に呑まれないように。酔わないように。
 結局、その日はべろべろに酔っ払ったまま、皆でカラオケにいった。夜中の寒い道を酒臭い息を吐きながら帰って、そのまま風呂にも入らず寝た。楽しかった。ちゃんとお腹の底から笑える日が、こうして当たり前にあります。それをまだ、不思議に思ったりもする。


 もうすぐ1年が終わる。1年が終わったからといって、日々は変わらなく続いていくのだけど、「区切る」ことはなかなかよい習慣だと思う。
 持ち続けることは大事だけど、持ちきれないものを手放すことも大事。新たに現れる持つべきもののために、手は空けておかねば。そのきっかけを作るための「区切り」。

 それでは、ちょっと早いけど、皆さんよいお年を!


 ちょっと宣伝。
 私も少しお手伝いをしたバーが大阪南船場にあります。細長い地下の店内は、壁一面に本が並んでいます。
 月に1度、「クリエーターズネスト」というイベントをやっており、作家さんや本作りに関わる方がゲストに来られます。
 前回12月は「怪談社」の怪談師、 紗那さんと紙舞さんが来られ、次回1月は作家のいしいしんじさんが登場とのこと。
 お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
 
 ◆文学バー リズール
 http://www7b.biglobe.ne.jp/~liseur/index.html 

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