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揺らぎ続ける

 相変わらず、日々はどんどんと進んでいる。
 置いてきぼりにならないように、せっせと歯を磨いたり、自転車を漕いだり、DVDを見たりして過ごしている。
 そうしなければ、というより、そうするほかはないから。
 とりあえず経済を回そうと、毎日仕事で物を売って、その後呑みに行っています。

 最近観たDVDは、「楢山節考」と「リトルミスサンシャイン」と「ミルク」の三作。
 一番印象に残ったのは、深沢七郎作の小説が原作の「楢山節考」だった。姨捨山伝説をベースに、信州の寒村に住む人々を描いた作品である。

 よくもまあ、というのが一番大きな感想。
 よくもまあ、こんなに人間の価値観や生活様式や風習や、なにもかもが、時代によって変化するものだと、驚きを通り越して、ただ圧倒された。
 自分がいままで当然として受け入れてきたもの、というか当然すぎてそれを意識すらしてこなかったものが、ぐらぐらと崩れてゆくのがわかった。
 出てきたシーンの例を挙げてみると、
 年寄りがいつまでも元気なのは恥ずかしいと、老婆が自分の前歯を石に叩きつける。数日前に夫を亡くした女が別の男の後妻となり、当たり前のようにそれを受け入れる。(新しい夫との初夜に「前のより良いわあ」とのたまうw)作物を盗んだ隣人を、村中の男が集まって、家族もろとも生き埋めにする。流産した子どもを近くの畑に捨て置く。
 などなど。どれもこれも、現代の感覚では到底考えられないことだ。
 特に「生」と「死」の捉え方が、今とは全く異なっていることに吃驚する。ひとつひとつのディテールに毒されて、メインとも言えるラストの「姥捨て」が、いつのまにか自然なものにすら思えたほどだ。普段、卑小ながら自分自身が有しているつもりだった持論や価値観が、実は知らず知らずのうちに「時代」というものに洗脳された結果なのかもしれないと、身震いがした。
 この世の中には「正しいこと」などなにひとつとしてない、あるのはその時代や場所のなかで、たまたま作られる「空気」だけだ。その空気に逆らわないよう、あるいはあえて逆らうことで、人間は右往左往しているのだ。
 そんな当然のことを実感した気がした。
 興味深い映画だった。原作の小説も読んでみよう。

 なーんてことを思っていたら、現代にもそのような考えを持ち続けている人物もいるようだ。奇しくも、映画を見た翌日に以下のサイトを見つけて苦笑した。

http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/ishihara/data/20011106josei.htm

 基本的に、私は他人の考え方に干渉しない人間だけど、もろもろの発言を見るにつけ、彼のことは政治家としてはもちろん、なにより小説家として認めるわけにはいかないと思っている。物を創る者にとって、想像力の欠如や視野の狭さは致命的ではなかろうか。

 前回の日記に書いた、被災地の方が無事だったとのこと。本当に、本当によかった。私は、まったくまったくなにもできなかったけれど、逐次情報を取捨選択して公開してくださっていた方のブログや掲示板のおかげで、状況を知ることができてよかった。ありがとうございます。
 もちろんこれからの方がはるかに大変だとは思う。けれど、生きていて、本当によかった。

 まったく話を変えますと、近々結婚することになりました。一年前はまさか「彼」とこんな風になるとは思いもよらなかった。けれど、いまは、こうなることこそ自然だと確信を持って言える。

 人間の考えや感情や人生は、一年かそこらで、いや一分の間にだって大きく変動し得る。私は、そんなあやふやな揺らぎを、見つめながら、記しながら、いつまでも生きていきたい。

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雑感」カテゴリの記事

コメント

おめでとう!
いつまでもお幸せにね。

ありがとうございます!
いろいろと前途多難なのですが、幸せになるよう頑張りますshine

昨日も茨城の方で余震があったようですね。。
くれぐれもお気をつけて、お体ご自愛くださいね。

ブログ、毎日楽しみに拝見してました。
また気が向いたら再開していただければ嬉しいです!

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