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2010年6月

するっと復活

 さくっと再開します(・∀・)

 なんだかねえ、自分の吐き出す言葉がどうにも気持ち悪くなっちゃって、すこしお休みしようと思ったんですが、舌の根も乾かぬうちにすいません。こちらこそ自意識過剰ですよね。皆さんよかったらまたお付き合いください。

 本日は、引越しに向けて大掃除をした。散らかりに散らかった部屋を見て、朝から途方に暮れたのだか、なんとか手をつけ始める。

 途中、発見した過去の日記や漫画を読み始めたり、ビールを飲んだりするダメパターンに陥りながらも、なんとか荷造りをした。

 私の部屋にある九割は洋服と本で、なにを持ち出すか残すかがおおきな課題であった。悩んだあげく、洋服はとりあえず夏物を、本は「きっとこれは何度も読み返すだろう」と思える物をチョイスしてせこせこと詰めていったのだった。

 掃除がひと段落したあと、父とふたりで祖母の見舞いに行った。いまや残された唯一の祖父母である父方の祖母は、一ヶ月ほど前から入院しているのだ。風邪をこじらせて髄膜炎となり、わるい菌が脳にまわってしまったらしい。

 先週見舞いに行った際は、正視に堪えぬ状態だった。常に妄言を吐きながら、私の顔も、最愛の父の顔すら判別できなかった。数年前に死んだ祖父の話を繰り返していた。

「おとうさん、ごはんどうしてるんやろか。私がいなかったらまたお酒飲んでるちゃうやろか」

 そんなことばっかり言うので、いたたまれなかった。祖父は酒好きで肝硬変を患っていたのだ。喧嘩を繰り返しながらも仲睦まじい夫婦で、祖母は最期まで、甲斐甲斐しく祖父の世話を焼いていたのだった。

 だけど、今日行ったときは、だいぶん意識がはっきりしているようで、とても安心した。

「おお、○○ちゃん(私の本名)来てくれてんなあ。ありがとう」

 と言って迎えてくれたし、ベッドから起きて歩行器で歩けるようにもなっていた。

 やっぱりすこし頭が混乱しているみたいだったけれど。

「あ、そこに赤ちゃんいるなあ。どこの子や?」

 私の横の虚空を指差して、真顔で言われたときは縮みあがった。私はこういうホラー系がとんでもなく苦手なのだ。おばあちゃん……。ほんとそういうのは勘弁して、と思った。他にも、歩行器を支えて歩く私を制止して「あぶない、そこに蛇がいるよ」と言われたりもした。実際は祖母の頭が混乱しているのではなく、私たちが「見えてない」だけなのかもと想像したら、背筋が凍るようだった。

 他にはこんなことも。

 祖母には、孫が六人いる。私の兄弟三人と、いとこ兄弟三人、計六人だ。けれど、祖母は看護師さんの「お孫さんは何人いらっしゃるの?」という問いに、自信満々で「五人」と答えた。

 えええ、おばあちゃん、誰を忘れてるの? 「違うじゃん、六人だよ」と私が何度言っても「五人だ」と譲らない。私から見ると、この人わざと言ってんじゃない? と思うような不敵な笑みを浮かべながら。

 それを裏付けたのが、以下の祖母の台詞。父が「おばあちゃんボケてしもたんか? 大丈夫か?」と聞いた際に、

「いや、まだまだ大丈夫や。まあ、三割ぐらいはボケてるけどな」

 と答えたのだった。

 おばあちゃん……。あんたまだまだ大丈夫だよ……。

 三浦春馬が大好きで、私の恋愛相談にも乗ってくれていた可愛らしい祖母。早く元気になってくれればと祈る。

 明日は、不動産屋に行ったあと、二度目の小説教室に参加する。教室は、年上の人がほとんどだが、個性の強い人も多く、刺激になっている。講座の後は毎度先生を含めた飲み会があり、ざっくばらんに話もできるので楽しい。

 ほかの人の作品を読むたびに、自分のへたくそさに泣けるけれど、まあそれは努力するしかない。  がんばるのだ。

わかりあえてないことだけわかりあえてる


短歌です。

サッカーは興味がないですだから今日私はずっと独りきりです

美しいものを見つけたそのときに見つけた美しくない私

生きようと思っていますじゃあ今は死んでいるのか死んでいるのだ

べったりと貼りついているさみしさの代わりに今日も胃液を吐いた

せわしなく顔を動かし愛想を振りまく扇風機がかなしい

わかるよと言い合いながらわかりあえてないことだけわかりあえてる

全部好き?君が作った「全部」には私は入ってないようです

いつもなら笑って許すことなどをほじくり返し電柱を蹴る

今日は雨降らなかったよいい日だよ 呪文を唱えてる帰り道

切り際のわずかな隙間につながらない気持ちみつけたまま眠る

干からび日記

 最近の私は、なんだかカラカラしています。干からびているのです。
 いろんなところからたくさんの栄養は摂取しているはずで、身体の表面はうるおっているのですが、皮膚の内側は乾いたままなのです。
 だからなにかを吐き出そうとしても、とんと出てこない。相変わらず小説を書いたりしているのですが、いっこうに言葉が続いていってくれない。ブログでさえあんまり書く気がしない。一体どうしたことでしょう。
 感覚が鈍っているんだろうか。視界がぼやけているんだろうか。それとも初めから描きたいことなんかなかったのかな。いやいやそんなことはない。心の奥にむずがゆく動くものは、たしかにあるんだよ。きっと。たぶん。
……なーんて考えだすと、またいつものどろどろとした焦燥が生まれてくる。じりじりと頭が痛くなる。
 だから、いまはただ、ふわふわと漂っていましょう。
 干からびた体は、すこし風が吹くたびにあっちにいったりこっちにいったり、簡単に流れていきそうです。はやく掴まることができる杭を見つけなければ。

 旅に出たい。旅に出たい出たい出たいよう。
 これから一人暮らしをしようって時に、なんだこの強烈な欲求は。ひとところに安定が生まれると、どうにも抜け出したくなる体質のようです。

 先ほどから以前の旅写真なぞを見ながら空想に浸っています。

*フランス
http://fotologue.jp/ami#/2258028/2258045

*フィンランド
http://fotologue.jp/ami#/10290130/10766749

 いま行きたいのは、スペイン。サグラダファミリアを見たい。あとは、ボリビアのウユニ塩湖。天国のような美しさ。

 まあ、引越しでボーナスぜんぶなくなるので、ただの寝言です。寝言は寝言らしく、夢の中でいいます。

 それではおやすなさい。

スタート

 部屋が決まりました。一度見て即決しました。なかなかおもしろい物件なのです。
 マンションの九階なんですが、七階までしかエレベーターがなくて、そこからは秘密の扉を開けて外階段を上らなきゃいけない。さながら隠し部屋のようです。
 玄関ドアを開けたら、すぐ右手にボタンがたくさんついた妙な機械があります。マンション全体を操作できちゃいそうな匂いがぷんぷんします。でもぜーったい触っちゃダメなんだって。残念。

100613_1109_01

 そして部屋のすぐ横には広い屋上が。嬉しいことに最上階住人の特権で独り占めしてもいいよ、とのこと。洗濯物や布団をめいっぱい干せそうだし、夏にはちょっとしたビアガーデンが開けそう。広い空の下で呑むビールはさぞかしうんまいだろうなあ。『ビアガーデン・あだち』夏中開催するので、皆さまよければ遊びにきてくださいませ(笑)
 今日の昼休みは例によってひとりで会社を出て、本屋にいきました。インテリア雑誌を探すため。 パリジェンヌの部屋を紹介した本に釘付けになりました。可愛すぎる。妄想が広がりに広がって、いっそいたたまれない気持ちになってます。
 新しいことを始めるのはいいことだ。きっと。たぶん。

 よい機会になりますように。

今夜はうまい焼き鳥を喰らうよ。

 寝たらすこし回復。ほらこうやって簡単に上がったり下がったり。生きてく限りずっと。きっと。なんだかなあ。でもまあいいや。
 なんだかすいません。かまってちゃん全開で。
 人と人とは分かり合えないのです。でも私はいちいちそれに傷ついてしまうようです。もうそれでいいじゃないか。仕方ない。うんうん。

 今日はひさびさの友人とごはんの予定。ビールいっぱい呑むぞっと。
 
***
 一人暮らしがしたいなあ。と思い立って、家探しをしています。古くて広くて、台所が使いやすい部屋がいいな。あと小さな庭があればなんにも言うことはありません。

 料理するのが好きなのです。普段ほとんどしないけど一人暮らしをしたらいっぱいしたいのです。だから二口ガスコンロは必須。
 よく作るのは、居酒屋で出てくるみたいなもの。だって酒飲みですからね。
 かつおぶしいっぱい乗っけた焼きナスとか塩辛クリームチーズ和えとか小松菜とじゃこの煮浸しとか豚キムチとかエリンギバターとか。……って、料理って言えるような代物じゃないな(笑)
 反面、変に凝り性だから、トマトソースとかゴマダレとかバジルソースをいちから仕込んだりもします。自分で作ったものが一番自分好みになりますよね。でもぜんぶ目分量だから二度と同じものは作れない。ギャンブルクッキング。
 まあ、そうやって作ったものをつまみながらひとり日本酒を呑む、庭を見ながら、ってなことを妄想中なのでした。
 誰かのために料理を作るのも好きなんです。好きなんだけど、私の場合気合いが入りすぎて、すこし疲れるのです。「おいしいものを食べてほしい」ってのと「おいしいもの作れるじゃんって思われたい」ってのを、いりいりと考え出すとテンパってしまう。がんばりすぎてしまう。
 可愛らしいでしょ? いや怖いか(笑)どっちにしろ女子っぽいね。自分の女子っぽいところは基本的に照れくさいのであまり人に見せたくないのです。だから恋人の前であんまり料理はしない。まあ恋人は私より料理がうまいので、当分食べる専門でいさせてもらいます。
 
 ああなんの話だっけ。そうそう一人暮らし。
 よく考えたら私、家のなかに自分だけしかいない状態で眠るという経験がとても少ないことに気づいたのです。二十七年間生きてきて、たぶん三・四回くらい。ほぼないも同然。幼いころから今まで、ずっと誰かの気配を感じながら眠ってきたわけです。
 そんなんで、なにが孤独か、と思ったのです。誰々と分かり合えないとか、私の心は固有だとか、なにえらそうに言ってんだと。あんた一人きりで眠ったこともないじゃんかと。
 物理的に一人になったからって特別なにかが変わるわけではもちろんないんでしょう。でも心許ない夜を幾度も過ごすことで、私はまたなにかを知るのでしょう。そんなことを期待しつつ。

 ああでも一人暮らしを始めたら、たぶん電話魔に拍車がかかる気がする……。友人の皆さんは覚悟しといてくださいませ。
 

 

さみしくてさもしい

あー久しぶりに憂鬱きたこれ。


他人って、なんでこう不可解なんだろうな。私が期待しすぎてるんだろうか。わかってもらえるってことに。わかりあうってことに。……いまだに?

少し前、中学時代からの親友が言ったことを思い出した。

「私たちって、すごく恵まれていたんだなあ……」

そうだね。きっとそうだ。心寄せられるひとがいて、率直に言葉を紡ぎあえるひとがいて、ぬくぬくと生きてきたんだよ。
それを不幸だなんて思いたくないのになあ。どうしても相容れない他者に出会うと、自分の甘っちょろさが恨めしくなる。いつまでも打たれ弱い自分が情けないよ。やだやだ。


でもこんなときはブログがあってありがたいなあって思う。言葉を吐き出す場所があるって救われるんだ。
親しいひとに直接ぶつけるには身勝手すぎる感情をぽんと置いておける。同時に、たとえば顔も知らない誰かにそっと触れてもらえる気もする。
他人によって傷つくことを畏れるのに、他人にすがることをどこかで求めているなんて、私はさみしい人間だ。さもしい、のかもしれない。

すいません。
……って誰に謝っているんだか。でもいまは誰かに謝りたい気分だ。さみしくて、さもしくて、どうしようもなくて、すいません。

「誰か」の中には、きっと「私」も含まれている。

自分で自分を赦せる自分に、私はいつかなれるのだろうか。
なれるのだろうか。

まあいいや、寝よう。睡眠は、体を休息させる以外に、忘却という貴重な効果もあるらしいです。忘れていいことは忘れよう。必要ないものまで抱え込んじまうのも、これまたさもしい私の性質なのですよ。

今日はとりあえず、おやすみなさい。

ようやく今週終わり。

 今日のランチは迷うことなく決まりました。会社にほど近いカフェで海鮮丼。魚介たっぷりの丼に手作りのおばんざいが3種類と出汁の効いたお味噌汁がついて780円。満足満腹でございました。
 このカフェ、ごはんはおいしいしほっこりできるので大好きなのですが、私とムラサキの間では密かに「ゲイのカフェ」と呼ばれています。なぜかというと、ふたりいる店員さんがどちらもガタイのよいオトコマエの男性だから。そして、一言もことばを交わさずに目合わせだけでおこなわれる連携プレー(お皿を並べたり、惣菜を盛ったり)がすばらしいから。これはもう心が通じ合っているとしか思えない。
 実はこのお店、数ヶ月前にしばらく休業していたのです。お休みされる前も男性ふたりで仲良く切り盛りしてらっしゃいました。でもまあそのときはゲイ疑惑もそこまで大きくなかったのです。あのふたり空気感がなんだかアレだねとか言い合うくらい。たんなる腐女子的妄想です。
 休業を残念に思いつつしばらく疎遠になっていたのですが、ある日再開の噂を聞いてムラサキといそいそ出向きました。
「いらっしゃいませ」
 にこやかに迎えられた瞬間、なにかが違うと気づきます。あれれ、なんだろう。店員さんをまじまじと見つめる女子ふたり。

 あ、男性のうち、おひとりが別の方にかわっている……。

 私たちは目で会話をしました。
「かわってるよね?」
「かわってるね」
「あれかな?」
「あれかな?」
「痴話ゲンカの末の休業、そして……」
「新しい恋人とのリ・スタート……」
 妄想が確信に変わった瞬間でした。
 ああああ、下世話ですね。頭くさってますね。お店の方すいません。これからも通います。

***
 そうそう。ハッシーは漢(おとこ)でした。
 見事後輩ちゃんのアドレスをゲット。さらにバーベキュー&花火に行く約束を取り付けたとのこと。
 HBからついに脱却ですね。このまま年を重ねてHJにならずにすんでよかったよかった。

HB

 先週末のお話。
 風邪がすこしマシになって油断した私は、会社の人と飲みにいっておりました。こらえ性がないのです。
 飲みに行ったメンバーは、二十八歳派遣女子カナちゃんと、同じく二十八歳草食系男子のハッシー先輩のふたりでした。年が近いのでなにかとよくつるんでる面子です。
 飲みの場での話題は、なぜかいつもハッシーとカナちゃんそれぞれの恋愛話となります。(どういうわけか、私は加えてもらえない)
 その日は主にハッシーネタが中心でございました。
 彼は、まあ見た目はそこそこ男前で、背も高く、人当たりも悪くない。ふつうにしてたらモテるサイドの男子です。なのにここ五年ほど彼女がいないそうです。
 なぜなのか?

 ヘタレだからです。

 まず、二十八年間の人生で一度も愛の告白をしたことがないという。まあそれはいいです。そういう人もいるにはいるでしょう。彼はその前段階からもうすでに消極的なのです。
 たとえば、合コンにいく。そこにとても気に入った女の子がいる。もちろん連絡先を聞くでしょう?

「いや、聞かない。だってタイミングがわからんもん」

 はあ? じゃあどうするんですか。

「幹事に皆の分を聞いてもらう」

 ……。まあいいや。で、メールするんでしょ。

「まあその日のお礼くらいは。でもそっからはしない自分からは。きたらそりゃもちろん返すよ?」

 え、じゃあ遊びに誘ったりは?

「あーむりむりむりむり。断られたらどうすんねん」

 とまあ、こんな具合です。
 カナちゃん風にいうと「だからあんたはあかんねんっ!!!」ごもっともですね。

 以前カナちゃんが鼻息荒く話してくれたこんなエピソードもあります。

「ハッシーってな、キスする前ぜったい”キスしていい?”って聞くねんて! 恋人にやで? 毎回毎回律儀に。なんでそんなん聞くねん! 黙ってぶちゅってすればいいやんか!」

 彼曰く『礼儀として』だそうです。もし相手から嫌だと言われたらどうするのでしょうか? あ、しないの? へえ、そこで引くんだ、へええええ。……このヘタレが!
 きっと「手つないでいい?」、「セックスしてもいい?」とかも聞いているんでしょう。
 この話以来、カナちゃんと私は彼のことを密かに『HB』と呼んでおります。もちろん『ヘタレボーイ』の略です。あ、『へなちょこボケ男』だっけか。
  
 そのハッシーがです。その日言うわけですよ。カルアミルクを飲みながら(彼は驚くほど酒が弱いのです)。

「俺は変わった! これからは積極的にいく」と。

 おおどうした、なにがあったと聞きましたらば。曰く、実は彼にはここ二年ほどずっとにくからず思っている女子がいると。それは私たちも知る、会社の四つ下の後輩だと。その彼女を来週ランチに誘う、ぜったい誘う、俺はぜったいやってやる、とまあこういうことなのでした。
 私たちふたりは、もちろん手放しで賛成です。
「えー、もう来週とか言わずいますぐ誘えばいいじゃん。ほら電話しなよ、いま」
 カナちゃんが勢いづいて持ちかけます。
「いやいやいや、それはむりやろ! いまはむり! 明日。明日ぜったい社内メールで誘うから!」
 どこまでもヘタレな彼ですが、自ら動こうと決意したのは大きな進歩です。
 その後は女子ふたりでさまざまなアドバイスをまくしたてながら夜が更けたのでした。

 で、今週です。

 あんなこと言ってて絶対うやむやにするだろうという大方の予想を裏切って、彼は後輩ちゃんをランチに誘うことに成功したのです。まあ、誘い文句を考えたのは私だし、「むりだ、送信ボタンが押せない……」というハッシーの代わりにマウスをクリックしたのはカナちゃんだったのですが。

 後輩ちゃんの返事は意外にも好感触でした。

「ぜひぜひご一緒させてください☆楽しみにしてます!」

 おお、いい感じじゃん。それなのに当の本人は「ほんとにOKしてもらえるとは思わんかった。考えるだけで緊張して死にそうだ」とウジウジしております。HBっぷり炸裂ですね。

 そして、ついに明日がXデー。

 終業後、「明日がんばってー」と声をかけるカナちゃんと私に、「今夜は明日の会話シュミレートせねば……。今からもう胃が痛い……」 とつぶやいて彼は帰ってゆきました。

 明日HBハッシーは首尾よくランチデートができるのか!? 次回乞うご期待!

 ちなみにカナちゃんと私の間では、来週密かになぐさめ飲み会が企画されております。

ひとりランチ

 十二時のチャイムと同時に、財布と携帯を持って席を立った。
 最近のランチはたいてい一人でとることにしている。チームの面々と仲が悪いわけではないのだけれど、一緒に食事するのはなんだかわずらわしい。マクドナルドの新しいメニューや月曜九時のドラマの話は、たまになら楽しい。しかし毎日続くと脳みそがよじれそうになる。退屈なのだ。
 外はとてもよい天気。じりじりと肌を撫でる光に、夏の気配を察知して、おもわずため息が出た。暑い季節はあまり好きではないのだ。なにもかもが押し付けがましく感じるから。好きでもない男に無理やり抱きすくめられるような息苦しさがある。
 右へ左へ日陰をたどって蛇行しながら、なにを食べようかと考える。朝一はなぜかカレーのスパイスが恋しかった。昼に近づくにつれ、にんにくのガツンと効いたペペロンチーノが頭の中を占め始めた。けれど午後から会議があるから、やすやすと欲望に身を任せるわけにはいかない。せまい部屋をにんにくくさい空気で覆うのはさすがに申し訳ない。ただでさえ嫌な時間なのに。
 気を抜くとぽやんと浮かぶペペロンチーノを必死で追いやりながら、いろいろな店先のランチメニューを眺めていく。

 鶏もも肉のローストランチ800円。海鮮丼700円(にゅうめん付き750円)。季節野菜のヘルシーカレー・サラダ付き850円。スンドゥブチゲ850円。ぶっかけおろしそば650円。

 だめだ。なにが食べたいのかわからなくなってきた。私はよくこういう事態に陥る。たくさんの選択肢があるほど、自分がなにを選べばいいのかわからなくって途方にくれてしまうのだ。ザ・優柔不断。先ほど通りすぎたメニューたちを、今度は逆回しで眺めなおす。けれどやっぱり決まらない。空腹と日差しの強さで気が遠くなりそう。
 そうこうしているうちになんだか腹立たしくなってきた。なんで食べるものごときでこんなに悩まにゃならんのだ。私は馬鹿か。
 目に付いたファミリーマートに入って、鮭おにぎりとお茶を買った。初めからこうすればよかった。もう毎日鮭おにぎりでいいや、という気分になる。
 小さな児童公園のブランコに座って、本を読みながらおにぎりを食べた。公園には誰もいない。ブランコは木陰になっているから涼しい。静かで穏やかな時間。やっぱり一人ランチはいいもんだ。
 煙草を一本吸ってから会社に戻った。で、残り時間でこれを書いています。次の休みには、これでもかというほどにんにくを入れたペペロンチーノを作ってやろうと妄想中。

シンプルで複雑で、大きなようで小さい、そんなこと。

 朝、駅を出て会社に向かう途中のこと。前を歩く女の人の頭にきらきらしているものが貼り付いていた。どうやらコガネムシのようだ。思わずまじまじと見つめる。髪の表面を上へ下へとうごめく細かな肢が見えた。
 声をかけてあげた方がいいんだろうか。そりゃいいに決まってる。けれど、太陽を浴びて七色に輝くすがたがあまりに美しくて見とれてしまった。いっけんアクセサリーのようでもある。彼女の雰囲気にも似合っている。
 馬鹿なことを考えているうちに、女の人は私とは別の道へすたすたと歩き去った。目的地に着いて初めて気づくのだろうか。慌てる様子を想像する。悪いことをしたな。でもほんとにすごく綺麗だったんだよ。

***
 昨日から東京在住の妹が里帰りしている。妊娠していることがわかったのだ。
 発覚した日以来、母はどこか浮き足立っている。「年明けにはあなた伯母さんになるのよ」とか「今日母子手帳もらってきたよ」とか、一日に何度もメールを送ってくる。父は、戸惑いながらも初孫ができることが嬉しいようだ。未婚の母になるかもしれぬというのに、わが家族はいつもどこか暢気である。
 妹に「どんな気持ち?」と聞いてみた。「正直、びみょう」とのことだった。「嬉しいような、困るような、そんな感じ」
 なるほどね、と思った。もし私がこの先妊娠したとしたら、きっと同じように感じる気がする。
 子どもを産むって、大変なことだ。肉体にも精神にも環境にもいろいろな変化が起こる。それも自分では制御できないところで。そんな波に呑みこまれたら、たぶん「うれしい」一辺倒ではいられないと想像するのだけれど、どうだろう。惑ったり、悩んだり、多幸感に包まれたり、後悔したり、納得したり、期待したり、いろんな感情でぐちょぐちょになりそうだ。
 親になるのにそんなことでどうする、けしからん、なんて怒られそうだけど、おそらく生まれてくる赤子は母のそんな不安定も許してくれるんじゃないだろうか。「人間だもの」なんて言って。友達の子どもなんかを見てると、赤ちゃんにはそういう度量の広さがある気がする。泣いたり笑ったり本能まるだしの姿に接すると、「まあ、生きてるだけでいいじゃん」って言われているようで、なんだか力強いのだ。
 妹の子どもも無事に生まれてくれたらいいけどね。子ども嫌いの伯母ちゃんだけど、きっと可愛がると思うよ。そういえばまだ「おめでとう」って言ってないや。冷静に事態を受けとめていたつもりだったけれど、実は私も動揺していたのかもしれない。今日帰ったら伝えようと思います。

***
 昼休み終わり。さ、仕事仕事。今週はなんだか順調なのです。とりあえず来週ボーナスもらうまでは頑張ろう。

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