いつのまにか桜が咲いてた
先週末、結婚式が終わった。
入籍してから約10ヶ月。準備期間は山ほどあったはずなのに、結局直前でばたばたしてしまい、慌しく当日を迎えた。
その日は、始終頭のなかにうっすらもやがかかっているようで、現実感がなかった。大切な人たちが入れ替わり立ち代り祝福の言葉をくれ、夫がずっと「幸せだ、楽しい」と笑っていた。
私はそれらを聞きながら、たくさん笑い、たくさん泣いている自分自身を、どこか違うところから眺めているような気分だった。渦の中心に立ちながら、そこから最も離れた場所にいるような心もとなさを抱えながら。
けれど、遠い場所から見るその風景は、とても美しく、穏やかだった。
当日の天気予報はくもりだった。けれど、教会からガーデンに出た瞬間だけ、狙いすましたかのように陽がさした。
花かごから次々に投げられる色とりどりの花びら。手を叩きながら笑うたくさんの人々の顔。
光に照らされて白く輝くそれらは、遠い過去から取り出してきた幸福な記憶のようで、なぜかとても、懐かしかった。
いつか私が死ぬとき頭に浮かぶのは、もしかしたらこの場面なのかもしれない、と思った。
なーんてぼんやりしているうちに、巷は桜が満開だったよ。
今週末はお弁当を持って近所の公園へお花見に行こう。散りかけのまばらな桜を肴に、お酒を飲もう。





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